猫カフェだと思ったら、黒猫男子に前後不覚になるまでとろとろにされる性感リフレだった件。

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先行配信日:2023/10/27
配信日:2023/11/10
定価:¥770(税込)
猫好きのOLミウは、日々の激務で心身共に疲弊していた。
「もふもふの海に溺れたい」ため息まじりに独りごつと、なんと猫カフェの看板を発見。
「二十四時まで営業?」疑念を抱くが、もふもふを求める心は止まらない!
しかし現れたのはイケメン黒猫獣人さん――?
「ほら、いいこ……。 リラックスして、沢山気持ちよくなってね」
脳が痺れるような低く甘いささやきと、巧みな愛撫で身体中が蕩けるように熱くなり……!?
なんとそこは、猫獣人さんがおもてなしする女性専用性感リフレでした!

成分表

♡喘ぎ、二穴、NTR、非童貞、などの特定の成分が本文中に含まれているか確認することが出来ます。

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 第一章 そこは猫カフェですか? いいえ、性感リフレです。


「あーっ! もう無理! もふもふ成分が足りないっ!」
 残業上がりの午後九時半。何もかも捨てて、もふもふの海に溺れたい……。そんな気分だった。
 社会人になって早二年。忙殺される毎日に、私はすっかり疲弊していた。
「ただいま」って言っても、誰も「おかえり」って言ってくれない。温かいご飯も準備されていない。そして生活圏に猫ちゃんがいない――それが何よりもしんどかった。
 私にとって猫ちゃんは、一緒にいて当たり前の存在だった。私が赤ん坊の頃の写真にも写ってるくらい。いつだってそばにいてくれて、疲れた心を癒やしてくれた。ただ、就職してペット不可のアパートでひとり暮らしを始めてから、すっかり縁遠い生活を送っている。
 そろそろ、もふもふ成分を補給しに実家に帰りたい。でも仕事が忙しすぎてそれどころじゃない。スキンケア不足でお肌が砂漠並みに乾燥してても気にならないけど、心の乾燥は無視できない由々しき事態だった。
「はあ……。猫ちゃんを触りたいよぉ……」
 パソコンの壁紙にしている写真を見ていたら、深い深いため息が出た。モニターの中でスヤスヤ寝ているのは実家にいる黒猫ちゃん。黄色いまん丸お目目の、世界で一番可愛い子だ。
 実物に会えない代わりに、せめて壁紙だけでも……と設定したんだけれど、想いは募るばかり。こんな気分じゃ仕事のパフォーマンスは落ちるばかりだ。
 今日はもう退勤しよう。ここでうだうだしたって、作業が進むわけでもない。週末まであと少し。今週を乗り切るためには諦めも肝心だ。そう思うと、私はパソコンの電源を落として退勤した。
 信号待ちの間、ふとショーウインドウに反射する自分の姿に気づく。
 何の特徴もない目鼻立ち。肩下まであるピンクブラウンの髪は、しばらく美容院に行ってないので毛先の方だけパーマが残った状態。そして何よりどんよりしたお疲れ顔。
 ただでさえ地味なのに、庶務課というこれまた地味な職場で仕事に明け暮れる日々。言うまでもなくおしゃれも恋も二の次だ。
 信号が青に変わり、横断歩道を渡る。するとガタイのいい狼獣人さんと華やか系美人の恋人らしき女性が仲睦まじい様子ですれ違った。
(獣人さんはやっぱり顔がいいなぁ……)
 この国に獣人さんたちが定着したのは、三十年くらい前から。体格のいい熊や狼、明るくて人懐っこい犬、小柄でシャイなウサギ――。どの種族にも共通しているのは、みんな極めて容姿が整っているということ。
 動物は異性に選ばれてこそ繁殖できる。その名残が獣人の見た目に通じているのだと聞いたことがある。だから今や芸能界は獣人さんでいっぱい。雑誌やCMで獣人さんを見ない日はないくらい。会社にいる獣人さんも、みんなキラキラで眩しい。
(獣人さんはいいから、本物の猫ちゃんを触らせて……)
 ヒール靴でフラフラと歩き、最寄り駅へと向かう。この状態ならきっと今夜も夕飯はコンビニ弁当だ。自炊する気力なんてどこにもない。せめて週末は体にいいものを……なんて理想だけはあるけれど、週末は週末できっと料理をする元気なんてない。
 そんなお疲れ気味の私の目に、真新しい立て看板が飛び込んできた。
(……ん? なんだこのお店。いつの間にできたんだろう……)
 その名も「カフェ・アンド・リラクゼーションスペース 猫まみれ」。立て看板には「本日、ご予約なしでもご案内できます」と「新人います」の文字。
 見上げれば、雑居ビルの二階の窓に、可愛らしい肉球の絵が描かれている。毎日通るのに、こんなところに猫カフェがあったなんて全然気づかなかった。
 営業時間は二十四時まで。今から行っても、たっぷり二時間は滞在できる。こんな遅くまで営業して、猫ちゃんたちは大丈夫なのだろうか。
 とはいえ気になるものは気になる。何より、もふもふ成分の枯渇が限界だ。夕飯の代わりにここでフードメニューを頼んで、少し猫ちゃんと遊んで帰ろう。
 私は思い切って二階へ続く階段を上っていった。

 入り口のドアから光が漏れている。こっそり覗いて中の様子を見るけれど、猫ちゃんの姿はない。遊ぶスペースが別に設けられているタイプのカフェなのかもしれない。
 どうしよう……と少し悩んだけれど、私は勇気を出してドアを開けた。
「いらっしゃいませ。当店のご利用は初めてですか?」
 出迎えてくれた店員さんは、目がくりっとしたアイドルみたいな男の子だった。柔らかい色の金髪がスコティッシュフォールドっぽい――と思ったら、店員さんの頭には折れ耳。
(あ、猫獣人の店員さんかぁ)
 私が店員さんをぼんやり見つめていると、彼はきゅるるんっとした瞳で私の顔を覗き込んできた。
「あれ、もしかしてお客さま、折れ耳がお好きですか? 申し訳ありませんが、本日は立ち耳しか出勤しておりませんでして……」
「あっ、いえいえ! ごめんなさい。そういうことじゃないんです。それに私、猫ちゃんの耳に好き嫌いはないので」
「それは安心しました! では、本日接客を担当する子のご要望などございますか? 毛の色とか、大きさ、性格でもなんなりとお申しつけください」
「えーと……」
 猫カフェにしては担当制とは珍しいな。大体猫カフェって、猫ちゃんたちが好きに遊んでいるところに人間がお邪魔して、ニヤニヤすることが多いと思うんだけど。
 まあいいや。私は深く考えずに「ツヤツヤの黒猫ちゃんを」とリクエストした。その理由はもちろん実家にいる子が黒猫だから。人懐っこくて、鳴き声が大きくて、私が帰るといつも「おかえりー」と言うように玄関まで出迎えてくれる。賢くてお利口さんなのだ。
(いかんいかん、うちの子を想像してたら顔がニヤけちゃう……!)
 折れ耳の店員さんが私に背を向けたのをいいことに、私は自分のほっぺをペチペチと叩いた。
 どこで猫ちゃんが私と遊んでくれるのかな? と思っていたら、店員さんが個室に案内してくれた。
(猫カフェで個室? うわぁ、珍しい。でも、これなら他のお客さんの目を気にせずイチャイチャし放題だ!)
 個室はベージュを基調とした清潔感のある内装だった。広さはそこまでなく、割と大きめのベッドとサイドテーブル、そしてソファだけが置いてあった。キャットタワーなどはない。ほんの少しだけ照明が暗くしてあり、いい香りのアロマが焚かれている。
(アロマ……? 猫ちゃんにアロマはご法度だけど……)
 この辺りで気づけばよかったんだ。ここが猫カフェじゃないってことに。
 それなのに、私は店員さんに促されるままにソファに腰かけ、ぼんやりと黒猫ちゃんを連れてきてもらうのを待っていた。
 そして数分後、現れたのは――。
「こんばんは。ご来店ありがとうございます」
「○×◎◆※□ッ!?」
 入り口に立っていたのは、ミステリアスな佇まいの男の人だった。
 その人は、すごく背が高くてスラっとした体型をしていた。
 目元まで伸ばしたツヤツヤの前髪の隙間から、レモンイエローの瞳が見える。鼻や口は小ぶりだけれど形が綺麗で、彼の顔の作りがとてもいいことがうかがわれた。もしかしたら、前髪を短くしたら芸能人みたいかも。
 そして何より特徴的なのは、彼の頭の上にある、ピンと立った黒い猫耳と、背後でゆらゆら揺れる真っ直ぐな尻尾――。
「そっち行ってもいいすか?」
「はっ、はぃぃ!」
 あまりの驚きに、返事をする声が裏返ってしまった。
 えっ、待って待って。なんで黒猫ちゃんじゃなくて、猫獣人の男の人が来たの? あ、ちょっと、私が座っている隣に腰かけて、えらい密着してきたけど!?
「緊張してる?」
「き、きき、緊張っていうか……! 私、あの、黒猫ちゃんが来るものだとばかり……」
「ん? 俺、黒猫だけど」
「あっあっ、えっと、その! 獣人さんじゃなくて本物の猫ちゃんが来るかなって……」
「あー。もしかしてお姉さん、ここ猫カフェって思った?」
 そう言って、猫獣人の彼はいたずらを企ててる男の子みたいに笑った。こうして間近で見ると、本当に綺麗な顔をしているのが分かる。私は思わず彼に見とれて――じゃなくて!
「あの、ここって猫カフェじゃないんですか……?」
「違うよ。猫獣人がおもてなしする女性専用性感リフレ」
「せ、せっ……」
 そ、それって……表現はマイルドにしてるけど、要は女性向け風俗ってことじゃないか!! 今になって、とんでもないところに来てしまったと私は悟った。
「ご、ごごごご、ごめんなさいっ! 私何も知らなくて……! 帰ります! お金はちゃんと払いますから!! 失礼しました!!」
「あ、ちょっとちょっと。そんな焦んなくてもいいじゃん」
「う、わ、ああっ」
 青ざめながら立ち上がると、ぐいっと猫獣人さんに手を引っ張られてしまった。そのまま私は体のバランスを崩し、猫獣人さんの膝の上に倒れ込んだ。
 まずい、見知らぬ男の人と密着してる!! っていうか、跨がってる!!
「ひいいいいぃ!?」
「先輩たちに聞いたんだけど、結構猫カフェと間違うお客さん多いらしいよ。せっかく来たんだし、おしゃべりだけでも楽しんで帰れば? 俺、時間いっぱいまで付き合うからさ」
「そ、そんな……」
「もしくは俺の猫耳でもなでてく?」
 くすくす笑いながら、彼が頭を傾けて猫耳を差し出してきた。
 もふもふを見ると――それが獣人であろうと――つい触りたくなるのが猫好きの性【さが】ってやつで。
 私はつい彼の耳をなでなでしてしまった。
 彼の瞳が穏やかに細まる。私が触れても嫌ではなかったみたいで安心した。
「あ、自己紹介がまだだった。俺、シャノワって言うんだ。お客さんは?」
「ミウ……です」
「ミウね。ミウちゃん? ミウさん? どっちがいい?」
「あ、あの……呼び捨てで……」
「了解。ミウ、ほら、こっちおいで」
 シャノワさんはそう言うと、私を自分の体に押しつけるように抱きしめてくれた。直線的なシャノワさんの肩口に顔をうずめると、コロンか柔軟剤か分からないけれど優しい柑橘系の香りがした。
「その格好……もしかしてミウ、仕事帰り?」
「は、はい……」
「こんな時間まで頑張ってたんだ。お疲れさま。ほら、いいこいいこ……」
「ん……」
 シャノワさんは私を抱っこしたまま、ゆっくりと髪の毛に指を差し込む。地肌をマッサージされているだけなのに、なんでこんなにゾクゾクするんだろう。思わず「はふ……」とため息をこぼしてしまった。
「ミウってこういうの弱いの?」
「や、えっと……わ、分かんないです……」
「それならこれは?」
「え、あの、あ……。ん……っ♡」
 その時、シャノワさんは私の地肌からすりりと指を動かして、左右の耳たぶに触れた。親指と人差し指をこすり合わせるように、ゆるゆるとマッサージされる。たったそれだけの動きなのに、シャノワさんに密着していた下腹部がきゅんっと甘く疼いた。
「あはは、顔がもうとろっとろになってんじゃん。かーわい。仕事の時は真面目な顔して、イチャイチャするとすぐえっちな気分になる子、すげー好き。ご褒美に耳舐めしてあげる」
「あ、あの、そんな……っ♡ んあぁ……♡」
「ほら、くちゅくちゅ言ってんの、聞こえるでしょ?」
「っ、や……♡ んぅっ……♡」
 耳元でぐちゅぐちゅと舌と唾液の音が響く。いやらしい音が脳に直接流し込まれていくようで、シャノワさんのシャツにしがみつかないと倒れてしまいそうだった。
 耳を触られたり舐められたりするだけで、こんなえっちな気分になるなんて知らなかった。
「あー、いい感じに力が抜けたね。今日もクタクタになるまで残業してたんだろ? よしよし、よく頑張った。自分へのご褒美だと思って、俺に任せてよ。いっぱい気持ちよくしてあげるからさ」
「ご褒美……?」

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