一日目・儀式の始まり
「こんにちは。今日のお掃除に伺いまし、た……」
ノックのあとに扉を開けると、そこには魔境が広がっていた。
ここは王都の端にある、国立魔法研究所。古いレンガ造りのこの建物は、大昔から魔法使いの寄り合い所だったと言われている。
なんでも魔法というものは、古くから使われてきていたけど魔法使いの秘密主義により隠され続けたらしい。だけど魔力を持った今代の国王が調べてみたら、国民の半分近くが使えるものだと分かったそうで。
そんなものを隠す必要はないと大々的に研究するようになって十数年。火や水、風や土を操れるという話だけど、何をどこまで使えるかは未知数らしい。
魔法使いという名称は魔術師という職業に改められ、まだまだ謎の多い技術を解析するため、国中の優秀な魔術師がここに集まり日々研究を続けている。
そんな大層な場所に魔術師でも学者でもない私がいる理由は、単にここで侍女として住み込みで働いているからだ。
「やあ、リリアン。今日もお仕事ご苦労様」
「ご苦労様と言ってくださるなら、侍女の仕事を増やすのは止めていただけませんか?」
陽だまりのような笑顔を湛えて椅子に座るこの部屋の主は、所長のミラードさんだ。
建物の最上階の最奥に研究室を構えるこの人は、役職で分かるようにこの建物で最も偉くて有能な人……のはず。
そうと言い切れない理由はひとえに、足の踏み場もないくらいに散らかった部屋のせいだ。一人で使うには広すぎるであろう部屋なのに、どこをどうしたらこうなってしまうのか。
「どうして昨日片付けた場所が、たったの一日で元に戻ってしまうんですかっ!?」
「いやぁ……熱中しているとついね」
「つい、で散らかる量じゃありません! 今日も午後の勤務時間まるまる潰れちゃうじゃないですか!」
「ごめんね? 他の仕事があるならこの部屋はこのままで……」
「このままにしたら、明日には床が一段高くなってしまいます!」
窓からの日差しを受け、水晶のように輝く長い銀髪と、宝石のように煌めく紫色の瞳はとても幻想的なのに……。容姿と役職と能力と性格は一致しないという、実に残念な存在だ。
ひとまず、扉の横に積み重なる本を本棚にしまうことにしよう。
本棚に置かれた数多くの本は、背表紙だけ見てもまったく理解できそうにない。そんなものをすらすらと、まるで娯楽小説のように読み進めるだけの頭脳がこの人にはあるらしい。
「リリアン、届かないなら踏み台が……多分どこかにあるはずだよ」
「探す手間を考えれば背伸びをしたほうが早いです」
低い身長を指摘されたのにむっとしてしまうけど、所長に他意はないんだろう。所長は私が知っている人の中で一番背が高く、すらっとしたスタイルをしている。
それに引き換え私は、十八歳という年齢の割に小柄で子どもっぽい体つきで、正直コンプレックスだ。そのせいか職員には可愛がってもらえているけど、それはそれ、これはこれ。
そもそも制服である黒いワンピースは必要以上にひらひらしていて、踏み台を使うことを躊躇わせる。女の子には可愛い制服で仕事のやる気を、という理由で決めたらしいけど、実用的ではないと訴えたい。
「そうそう、片付けが終わったら頼みたいことがあるんだ」
「どう考えても終業間際になりますが、よろしいですか?」
「僕はかまわないよ。家なんてずいぶん帰ってないから、仕事もプライベートも関係ないからね」
なんでも高い役職の研究員は、研究室の奥に私室を備えているらしい。一番偉いであろう所長も例に漏れず、外部と隔絶された研究生活を満喫しているようだ。
思えば、ここで働くようになってからずいぶん経っているのに、所長の服装が替わっていることはなかった気がする。不衛生と感じたことは一度もないから、単純に同じものをたくさん持っているんだろう。
真っ白な白衣と黒いシャツに紺色のトラウザーズ。清潔感にあふれる格好は好印象だ。
それにしても、所長が私に頼みごと……魔術師でもなんでもない、ただの侍女である私にできることなのかな?
戸棚にはまったガラス戸に映る自分の姿を見て、ふと考えてしまう。
特に珍しくない榛色の髪は、邪魔にならないよう一つに結んでいるだけ。少し変わっている部分といえば明るい緑色の瞳くらいか。とはいえこれだって少数なだけで、探してみればそこそこ見かけるものでしかない。
「先に言わせてもらいますが、髪は差し上げませんよ」
「どうしてそんな発想に至るんだい?」
「先日、研究員の方にそう頼まれたので。魔術の触媒にしたいとか」
「厳重に処罰しておこう」
研究員という立場からか、はたまた元々の性格なのか、ここにいる人には変わり者が多い。正直に言ってしまえば、変態さんの集まりなんだろう。その部分さえ飲みこむことができれば結構いい人が多かったりする。所長だってこの散らかし癖さえなければ、有能で優秀で尊敬できる人物……なのかもしれない。
そんな所長と時折会話をしながら片付けを続けていると、あっという間に時間は過ぎていってしまった。
太陽が沈み始める夕方。ようやく部屋の片付けが終わり、ところどころに置かれているランプに火を灯す。
魔法研究所という場所なんだから魔道具を使えばいいのにと思うけど、研究室の中では使わないことが多いらしい。魔力の干渉が、なんて言っていた気がするけど、一般人である私に詳しいことは分からない。
一通り片付け終わると、所長は私にソファを勧めてきた。
低いテーブルを挟んで置かれた二つのソファは、さっきまでは本棚の一部になっていたものだ。一人掛けなのに広々としていて、私の体格なら二人掛けにも使えてしまいそうだ。
そんな立派なソファに浅く腰掛けてから、正面に座る所長へと顔を向けた。
「それで……頼みとは、一体なんでしょうか?」
「君に、ある実験に協力してほしいんだ」
ランプの光がじりじりと揺れる中、所長は白衣のポケットから何かを取り出した。
それは手の平に収まってしまうくらいの小瓶で、透明な硝子の中には不思議な色合いの液体が揺蕩っていた。
「リリアン。君は、魔女の媚薬を知っているかい?」
「魔女の、媚薬……ですか?」
魔術師より前の呼び名である魔法使い。魔女というのはその中でも特別なものとされていたらしく、今ではとびきり優秀な魔術師を示す言葉だと聞いたことがある。
だけど、媚薬……? 言葉としては聞いたことがあるけど、それがどんなものかを説明するだけの知識はない。
「端的に言うと、惚れ薬だ」
「はぁ……?」
一気に胡散臭い言葉になり、そんなものを手にする所長の意図がまったく分からなかった。国が運営している研究所が扱う案件として、これってどうなんだろう。
「とある筋から鑑定を依頼されてね。なんでも、この媚薬を使って七日間の儀式を行うと、望む相手に恋心を持たせることができるそうだ」
「ずいぶんと手間がかかるんですね。そんな名称ならもっとすぐに効果が出てもいい気がしますが」
「使ってすぐに願いが叶うなんて、それは魔術じゃなくて奇跡だよ」
そう言って笑った所長は、日差しを受けていないであろう真っ白な指で小瓶を摘まむ。ランプの光が当たったことにより、妖しげな液体の中に不思議な煌めきが見えた。
そんな不審な物を私に見せて、所長は一体何がしたいんだろう。
陽だまりのような笑顔を浮かべた所長は、ゆらりと小瓶を揺らしながらとんでもないことを言い放った。
「これ、僕が使ってみようと思うんだ」
「は……?」
「本当は意中の相手に使うものみたいだけど、さすがに他人を巻き込むわけにはいかないからね。僕が僕にかけてみるってこと」
研究所の所長ともあろう人が、得体の知れない薬を前に、自分で使ってみると?
危機管理も何もない、研究者気質という言葉では見逃せない発言に、私は思わずソファから立ち上がっていた。
「駄目に決まってるじゃないですかっ! どうして所長がそんな危ないことを!」
「極秘で請け負ったことだからさ、他の研究員には頼めないよね」
「だったらどうして私にそんなことを教えるんですかっ!」
「実験には記録役が必要だろう? 君ならなんの先入観もなしにありのままを観察してくれるだろうから。それに、口も堅い」
さらりと言われた言葉は、私を信用してくれているということなのかな。そのことは少し嬉しいけど、それはもっと別の時に教えてほしかった。
「私は魔法のことはまるで知りませんが……その、危ないんじゃないでしょうか」
「毒にも薬にもならない成分しか検出されていないから、その点では危なくないよ」
「だったら……私がやりましょうか?」
ただの侍女である私と、所長という立場のこの人とでは、どちらが身体を張るべきかは一目瞭然だ。そう思っての提案に所長は一瞬目を見はり、眉根を下げながら小瓶を自分の口元へと近づけた。
「記録には、薬を使ってどういう反応が出るかを詳細に記す必要があるんだ」
「ですから、観察は所長がしたほうが……」
「あのね、リリアン。媚薬と言うからには、口にしづらい反応も出るとは思わない?」
媚薬で、口にしづらい……。惚れ薬ということだから、人に聞かせるには恥ずかしい言葉でも発してしまうのかな? 好き! とか、離さない! とか? 確かにそれは恥ずかしいことかもしれない。
「かといって、自分で自分を観察するのは難しい。それに儀式には対象者が必要だ。だから君には記録係と、儀式の対象者として協力してほしい」
「対象者……」
「うん。儀式を行った僕が、対象者である君に対してどういった感情を持つかというね。もちろん、君の気持ちを操作しようだなんて思っていないから、そこは安心してほしい」
いつものように穏やかな声で告げた所長は、テーブルの上に小瓶を置いた。
つまり……所長はただの侍女である私を信用し、極秘の仕事を手伝ってほしいということらしい。
そこまで言われて断ることができるだろうか。いや、できない。
「分かりました。力不足かとは思いますが、精一杯お手伝いさせていただきます」
「ああ、よかった。なら早速、この縄で僕を縛ってくれないか?」
「……は?」
聞き間違いだろうか。いや、違う。だってにこやかに笑う所長の手には、見るも明らかな縄が握られているから。
「所長も例に漏れず変態さんだったんですね……」
「どうしてそういう印象に至ったのかな?」
困ったように笑われても、先程の言葉は明らかな変態発言だろう。天才と変態は紙一重。一般人には理解ができない。
「僕はただ、君に害が及ばないよう安全策として提案しているんだ。もしも媚薬がものすごく強力で、僕が君に襲いかかりでもしたら困るだろう?」
「それは……そうですけど」
「でしょ? だから、思いっきり縛ってくれ」
そう言って差し出された縄は恐らく荷造り用のもので、人の身体に巻くためのものではないだろう。けれどこれも儀式のための作業だというなら縛るしかない。
後ろに回された所長の手首をまとめ、差し出された縄でくるくると巻く。とはいえ、思いっきりというわけではない。こんなに固い縄では、どう考えても痛い思いをしてしまうからだ。
「うーん……これは君の優しさだって分かってるんだけどね? もっとキツく、絶対に解けないようにしてほしいんだ」
「頭脳派の魔術師の方に無体を働くのはちょっと……」
「それって遠回しに貧相って言われてるのかな?」
見えている肌はどこも白く、外に出ていないのが丸わかりだ。研究ばかりしていれば身体を動かすこともないようで、ゆったりした白衣に隠れる身体つきは想像するまでもないだろう。
「媚薬に浮かされたら何をするか分からないよ。こうやって……わー、縄を解いて暴れてやるー!」
「わぁっ!?」
わざとらしい棒読みの台詞とともに、所長は腕を捩り縄を振りほどいていた。その力は思っていたよりも強く、貧相とはまるで思えないものだった。
身体を動かすのが仕事の私より力が強いだなんて、なんだかちょっと悔しい。
「というわけで、もっとキツく、思いっきり、ぎっちぎちに縛ってくれるかい?」
「発言が本当に変態ですね!?」
とはいえ、解かれてしまうなら巻く意味はなくなってしまう。さっきとは段違いに力を込めて巻いた縄は、どうやら所長のご希望にそえたらしい。腕を捩って力を入れても、今度は解けることがなかった。
「それじゃあ、儀式の手順を説明するね。まずはそこの棚にある蝋燭を取ってくれるかな」
行儀悪く爪先で示された棚を見ると、短い蝋燭が七本置かれていた。
きっとこの長さなら二十分も持たないだろう。その中の一本をテーブルに置かれた蝋燭立てに刺すと、今度はランプの明かりを落とすように指示された。
「薬を使ってから蝋燭をつけ、呪文を唱えるんだ。蝋燭の火が消えるまで術者は対象者以外と話してはいけないから、扉の鍵をかけてくれるかい?」
「分かりました。もし話したらどうなるんでしょうか?」
「対象者が移ってしまうようだね。それじゃ検証にならないだろう?」
鍵を閉めると、机に置かれていた記録用紙を持ってくるように言われ、薄暗い部屋の中をゆっくりと進む。
散らかり放題だったさっきと違って障害物はなくなったけど、危ないものは危ない。ようやくソファに腰掛けると、所長は背もたれにゆっくりと寄りかかった。
「それじゃあ、儀式を始めよう」
厳かに響く所長の言葉に、思わず緊張してしまう。所長はいつも穏やかで優しい話し方しかしないから、こんなに真剣な様子は初めてかもしれない。
一体どんな儀式になるのかと思っていると、所長ははっと何かに気付いた様子で私に顔を向けた。
「しまった、縛られてるから薬を使えない」
「もっと早く気付いてくださいっ!」
さっきの緊張感を返してほしい。一気に弛緩してしまった雰囲気に肩を落とすと、所長はいつもと変わらぬ笑顔を浮かべていた。
「ごめんごめん。悪いけど代わりに薬を塗ってくれないかい?」
「はぁ……どこに塗るんですか?」
「唇」
「……えぇ?」
今、所長は……唇って言ったよね? 聞き間違いじゃないよね?
とんでもない指示に固まっていると、所長は小さく首を傾げた。
「呪文を唱える器官に塗るというのは、いたって合理的な手順だよ?」
「私が困っているのは手順ではなく指示のせいです! 縄、解きましょう」
「時間がもったいないからこのままでいいよ。それに、塗った途端に効果が出たら困るだろう?」
そんな即効性があるものは、魔術じゃなくて奇跡なんじゃなかったのかな……。
矛盾しているにもほどがある発言に、若干頭が痛くなってきた気がする。
「じゃあ、あれです。魔法でなんか、こう……できたりしないんですか?」
「わざわざ魔法でやることでもないよね。杖は机に置きっぱなしだし」
薄暗い中で作業机を見てみると、手の平の倍くらいの長さの黒い杖が無造作に転がっていた。
魔術師にとって杖というものは、触れていないと魔法が使えないという、証しであり命であるそうだ。魔力の宿った木で作られた杖は特注品で、作るのにかなりの手間暇がかかるらしい。
「大事なものを適当に扱わないでください!」
「いーのいーの、魔法を使う時に持ってればいいんだ。ほら、急がないと日が暮れちゃうよ。指でささっと塗ってくれれば大丈夫だから」
本棚の隙間にある肩身の狭そうな窓からは、終わりかけの夕日が差し込んでいた。解いて塗って縛り直してとやっていたら、確かに余計な時間がかかってしまうだろう。
深いため息をついて視線を戻すと、硝子の小瓶は仄かな煌めきを放っていた。
「ささっと塗ればいいんですね? 特別なことはしないんですね?」
「うん。上下に一塗りで大丈夫」
魔術師の儀式というのは、こんなにいきあたりばったりなのかな?
普段の研究においてどうなのか気にはなるけど、今は言われたように早く進めるべきだろう。
ため息をこらえてテーブルに置かれた小瓶を取り、きゅぽんと栓を外すと花の香りが漂ってきた。まるで香油のように華やかな匂いは、儀式に使う道具とは思えないくらいだ。
「えっと……触って平気なんですよね?」
「害はないよ」
所長の言葉を信じて小瓶を傾けると、思っていたよりもとろりとした液体が零れてきた。人差し指にとった液体は濃淡のついた紫色で、その中に銀粉のような輝きが混じっている。
これを、所長の唇に塗らなければいけない。
薄暗い部屋の中ではなんとなくの輪郭しか分からず、恐る恐る手を伸ばしてみると小さな笑い声が聞こえた。
「な、なんですか……?」
「ごめんごめん。なんかすっごく困ってるみたいだから。学会に発表するような実験でもないんだし、もっと気楽にやってくれていいよ」
どうやら所長は、私の緊張の理由を実験そのものだと思っているらしい。
確かにそこも気になるところだけど、異性の肌、それも唇に触れるという事態のほうがよっぽど大ごとなのに。
ただ、それを正直に言ったら私が勝手に意識していると思われてしまいそうだ。ここはその勘違いに乗っかっておこう。
「そうですか。なら、ささっとやっちゃいますよ」
「ああ。そのまま手を真っ直ぐ伸ばしてごらん」
言われるままに手を伸ばすと、中指の先端に温かくて柔らかいものが触れた。それは自分のものとは少し違っているような、なんとも不思議な感触だった。
「ほら、塗って?」
言葉とともに蠢く唇は、肉が薄くて少しかさついている。中指で輪郭を辿りながら人差し指を押しつけると、粘性のある液体はすぐに肌へと乗り移った。
「これで、あってますか……?」
下唇と上唇をひと撫でずつすると、人差し指にはほんの僅かな湿り気だけが残っている。薄暗い中でも分かる艶めきは、一度引き結ばれたあとすぐに開いた。
「ありがとう。あ、一応指先は拭いておいたほうがいいかな」
いくら害がないと言われても、謎の液体をそのままにしておくのは気がひける。ハンカチでそっと拭いてからソファに戻ると、所長は再び姿勢を整えた。
「今度こそ、儀式を始めよう。蝋燭に火をつけてくれるかい」
テーブルの中央に置かれた蝋燭に、マッチの火をゆっくりと近づける。すぐに灯った炎は明るく、さっきまで見えなかったものを浮かび上がらせた。
いつものように温かい笑みを浮かべている唇は、いつもと違って妖しく艶めいている。
「手元は見える?」
「あ……はい、問題ありません」
「じゃあ、始めるね」
いけないいけない、ちゃんとやらなきゃ。
僅かに惚けてしまった気持ちを、首を振ることで追いやる。記録用紙を広げてペンを持つと、満足した様子の所長が小さく口を開いた。
「僕は、リリアンを愛している」
その言葉が響いた途端、所長の雰囲気ががらりと変わった。
絶えず浮かべていた笑顔は、陽だまりのような温かさではなく、絡みつくような熱さを感じさせて。
柔らかな目元は、優しさではなく、妖しさのようなものを湛えて。
ゆらゆらと揺れる明かりの中で、私に真っ直ぐ身体と、顔と、視線を向ける。
まるで恋い焦がれるような強い視線に、思わず身体を固くしてしまった。